臨済宗妙心寺派龍潭寺(りょうたんじ)のご紹介。清凉寺の隣にあるこの寺、元々は井伊氏の始祖、藤原共保(ともやす)以来の井伊家の菩提寺で、奈良時代行基(ぎょうき)によって遠江国(現静岡県)に開基された。井伊直政が彦根藩主になったのを機にこの場に移築したそうです。
参道は木々が茂り木漏れ日が気持ちいい。江戸時代に建立された瓦葺きの山門は単層ながら、軒が深く重厚な趣だ。屋根上部の大棟と呼ばれるところには火伏せの波・龍・雲の彫刻。山門の枯れた感じと苔生す地面との調和が禅宗の「わび・さび」を醸す。
山門を抜けると正面に仏殿、左手には玄関が。ここは内部拝観できるので、早速中へ。中ではまず襖絵に驚かされる。桃山時代の作といわれる古い襖絵は104枚を数えるそうだ。
襖絵で彩られた廊下の先には方丈。そしてこの寺一番のみどころ「補陀洛の庭」が。
枯山水に48の岩石を用いて造った庭は、観音様の世界を現している。因みにこの龍潭寺に昔あった学寮は現在の造園学校の始まりといわれており、境内にはいくつもの庭がありました。庭の奥に見える高架廊下は仏殿へ続いていましたが、立ち入り禁止でした。
方丈を囲む廊下には巨大なダルマさんや寺宝展示ギャラリー、そして書院から眺める庭園など見学し、今度来るなら花の生い茂る季節にしよう(庭園見ても冬じゃチョット寂しい)などと考えながら寺をあとにしました。
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