西来院散策(仏像記3)

2010年1月5日 10:17 PM Filed under: 西来院散策 

今回は本尊釈迦如来に向かい左に鎮座します「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」の紹介です。

普賢菩薩

普賢菩薩

先に紹介した文殊菩薩がお釈迦様の智慧の象徴であるのに対し、普賢菩薩は慈悲の象徴であります。当院の普賢菩薩は六牙の白象の上の蓮華座に優しいお顔で座っております。大きさは対をなす当院の文殊菩薩と同じで、光背の色彩や仏像の状態から間違いなく二像は同じ時期に同じ仏師によって造られたものでしょう。普賢菩薩像は合掌をしているのが一般的と聞いたことがありますが、当院は左手に蓮華を持っています。ただ、肝心の花の部分が破損しており、茎だけのため少々解り辛いですが・・・

白象

白象

次に白象ですが、200年に渡り本堂で歴代の住職や檀信徒に日々燻香され白象とは言い難いお姿ですが、煤の下は間違いなく純白の体です。六本の牙は片方三本一括りになっています。

白象は徹底した利他行を顕し、六本の牙は六波羅蜜を表すそうです。六波羅蜜とは布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の六つの実践行のことです。六波羅蜜については別の機会にお話させていただきます。

 

白象崇拝はインドで古くからあり、お釈迦様の母親である摩耶(マーヤー)は六牙の白象が胎内に入りお釈迦様を身篭ったという伝説もあるほど。4月8日に全国寺院で行われる花祭り(お釈迦様誕生のお祝い)では白象の上にお釈迦様の誕生像を供えます。また現在でも東南アジアの仏教国では白象は大切に飼育されるそうです。


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