札打ち

2010年1月15日 6:55 PM Filed under: つれづれ 

秋田市の伝統行事「札打ち」

1月15日から16日へ日付が替わる深夜0時、久保田城下の観音三十三番札所の寺社はほのかな明かりに照らされ、境内は参詣者で賑わう。西国三十三所観音霊場を分霊し、先祖供養のために江戸時代に始まったこの行事は、江戸末期に東北地方を襲った飢饉の犠牲者供養が起源とも言われる。現在は、亡くなって3年以内の故人のため一番札所である秋田市泉の熊野神社から順に、手形~楢山~寺町~保戸野~八橋の寺院に戒名を書いた札を持参し、境内に設置された板に打ち付けてゆく。

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西来院は久保田城下の旧市内でないので三十三番札所ではないが、当院裏山に三十三観音を分霊しているので、寺内観音霊場となっている。この日は昔より当院檀信徒や地域の方々がお参りくださる。そして本堂向拝の左にある観音様は西国三十三番札所谷汲山の観音様だ。

谷汲山観音様

谷汲山観音様

西来院境内 善光寺如来碑

西来院境内 善光寺如来碑

「身はここに 心は信濃の善光寺 導き給え 弥陀の浄土へ」

お参りのかたはこの御詠歌をお唱えする。

10年も前になるだろうか、秋田市内浄土宗當福寺の先代御住職から札打ちについて講義を賜る機会に恵まれた。老和尚曰く「1月16日は昔の藪入り。休日であり里帰りの日であるからこの日に行われるようになった。」とのこと。
時代は変わり、薮入りの風習は無くなっても札打ちは続く。
今日は今年一番の寒さ。どうぞお気をつけてお参りください。

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少林山 西来院 -曹洞宗- 〒011-0905 秋田市寺内神屋敷11-6 画像・文章の無断転載禁止 / by rinshoji.com