岡山県津山市西部、院庄の田園地帯に、美作七福神毘沙門天を奉る真言宗清眼寺。ここの通称は「牡丹寺」。ゴールデンウィーク頃には100種類300株もの牡丹が咲き誇る。が、晩秋であるので、その姿は微塵もない。
まだ木の香りが漂ってきそうなほど新しい本堂には長法寺と同じく正面に鰐口が掛かる。このあたりのお寺は外からの参拝が基本なのであろうか、向拝を支える柱には本尊阿弥陀如来と毘沙門天の真言が掲げられている。
牡丹寺であるゆえに観光時季ではない。残念であるが退散しよう。山門を出てもう一度振り返る。境内伽藍一様に真新しいが、山門は年季が入っている。屋根瓦だけは近年葺いたようではあるが。
んっ・・・ おや??? おおぉ!!!
桃だっ!!!
瓦屋根の留蓋(とめぶた)の部分が岡山名物桃太郎の桃になっているのです。棟梁と住職の遊び心が汲み取れる、しかも鬼退治の桃太郎です、これも立派な魔除けでしょう。
去り際に岡山らしさを垣間見た、遊び心に顔も自然と緩みました。
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