曹洞宗秋田県宗務所が秋田県内曹洞宗寺院へ向け年3回刊行している機関誌「所報あきた」。その所報の連載記事で「寺のお宝」というコーナーがある。秋田県内曹洞宗寺院の寺宝を紹介する企画で今月発行の所報で第2回目なのだが、西来院の涅槃図を紹介してくださった。曹洞宗侶以外の方は目にする機会がなかなか無いと思うので、手前味噌ですがご紹介を・・・
[涅槃図はどこの寺院さまにもあるところだが、今回は秋田市西来院の涅槃図である。今から約二百年前の文化五年(一八〇八)九代目佐竹義和藩主の命によって制作が始まり、五年の歳月を経て完成された。縦四・五メートル、横三・五メートルの大きさである。藕糸(蓮糸)で織られた珍重な刺繍絵図である。昭和二十七年十一月一日、秋田県指定文化財工芸の部第一号に指定された。また珍しいことにこの涅槃図には他の絵図には見られない猫が描かれている(織られている)。言い伝えでは制作中に一時もそばを離れずネズミの害から守ってくれたお寺の飼い猫ということである。余談だが蓮で糸が出来るものかと内心疑念していたが、過日NHKテレビ「東南アジア・メコン流域の旅」の中で、今でも蓮糸が作られている様子を放映していた。それは蓮の根からではなく蓮の茎から作られるものでした。] 文責・宗務所副所長佐々木正悦老師
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曹洞宗秋田県宗務所・禅センター
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