和尚歴遊(水神社)

2010年8月19日 10:16 PM Filed under: 和尚歴遊 

8月17日は秋田県唯一の国宝である大仙市豊川(旧中仙町)の「水神社」の御神体・線刻千手観音等鏡像のご開帳の日である。

水神社

水神社

毎年一度、それも1時間程の開帳だけあって沢山の見物人で社殿は賑やかであった。この日、秋田市から車で向かい、開帳時間ちょうどの14時に神社へ到着した。道中ものすごい雨がであったが御神事がはじまる14時には雨は上がり青空もみえた。観音様の功徳力は絶大である。

拝観の為、行列に加わり社殿の中へ。10分程で私の順番が回ってきた。想像より幾分小型である。正面に正座し姿勢を正し手を合わせる。

社殿内部

社殿内部

線刻千手観音等鏡像は1677年(延宝5年)この地の水路工事中、地中1.5mより偶然発見された。この鏡を祀る為に建立されたのが水神社である。

鏡は直径は13.5センチ、厚さ6ミリ、重さ525グラム。青銅製で、表面をスズでメッキが施され、8つの突起を持っている。銀色の鈍い輝きの中にタガネ彫りの美しい千手観音の立像や観音八部衆などの姿が浮き上がる。裏面には唐草模様の一種である宝相華(ほうそうげ)から飛び立つ水鳥の姿やチョウの模様が描かれているらしいが表面の公開しかしていない。約1100年前の藤原時代の作と推定され、貴重な仏教芸術品として1953年(昭和28年)に国宝に指定された。平時は神社後ろの鉄筋コンクリート製の「国宝収蔵庫」に収納されている。

線刻千手観音等鏡像

線刻千手観音等鏡像

ちなみにこの鏡は国宝にも関わらず、一般拝観者の写真撮影を許可している。なんとも太っ腹な神社である。


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