和尚歴遊(成田山 新勝寺)

2010年6月24日 11:23 AM Filed under: 和尚歴遊 

千葉県成田市にある真言宗智山派の大本山(総本山は京都府智積院)、言わずと知れた関東屈指の名刹・成田山新勝寺。初詣の人出は明治神宮に次ぎ全国2位である。平安時代中期の平将門の乱に縁起し、江戸時代の歌舞伎役者・市川團十郎の帰依により庶民の信仰を集め、その名を不動のものとした。

土産物屋で賑わう門前を歩くと平成20年(2008)に建立された巨大な総門が見える。

新勝寺 総門

新勝寺 総門

総欅造りの重層門。まだ新しい門は欅の柱と彫金の飾りが明るく輝く。上層は四手先の軒のため屋根の広がりが雄大である。

総門をくぐり無数の灯篭が並ぶ参道の先、少し高い所には国指定重要文化財である八脚の仁王門が建つ。

新勝寺 仁王門

新勝寺 仁王門

天保2年(1831)再建のこの門は密迹金剛・那羅延金剛の二尊を奉安し、裏仏には広目天・多聞天が。破風下の大提灯(800kg)は、寺門の守護の役目をはたしておるそうな。隣接する放生池には沢山の亀が甲羅干しをしていた。

仁王門を抜け石段を上がると目の前の広場には大本堂・三重塔をはじめ、新勝寺の主要な伽藍が立ち並ぶ。

新勝寺 大本堂

新勝寺 大本堂

新勝寺 三重の塔

新勝寺 三重塔

大本堂は弘法大師によって敬刻開眼された不動明王を御本尊とし、成田山新勝寺で最も重要な御護摩祈祷を行う道場である。仁王門と同じく国指定重要文化財である三重塔や鐘楼堂が中国様の極彩色であるのに対し、大本堂は飾りのまったく無いシンプルな建物である。しかし見事に均整のとれたその姿は、素晴らしいとしか言いようがない。白壁と焦げ茶色の柱、均等に緑青のふいた銅板屋根に大本堂の威厳と落ち着きが感じられる。

大本堂の奥へもまだまだ境内は続く。165,000㎡に及ぶ成田山公園は参詣者の憩いの場。古よりの信仰が息づく、街の中の癒しの場である。

日本全国に名を馳せる名刹、お参りできて幸せである。


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