今回のご紹介は、本堂奥にある位牌堂の本尊様「子安観音」のご紹介。
観音菩薩は日本で指折り有名な仏様であろう。般若心経や法華経をはじめ、そのお名前が出てくるお経は数知れず。三十三の姿に変化し衆生を救う観音様はどこのお寺でも見ることが出来る。
そもそも二千年以上前のインドで始まった観音信仰は世界中の大乗仏教信徒に広まり、日本でも仏教伝来直後の飛鳥時代から信仰されている。ちなみにチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマも代々観音菩薩の化身。
子安観音は安産祈願の仏様。胸に赤子を抱いているのが特徴。
顔面から首にかけての金箔の薄利が深刻な状況。宝冠や蓮華などの装飾には破損は見られない。色あせが激しいのでさほど気に留めないが菩薩像や如来像といえば総金箔が多いので、赤色の衣、白の肩がけ、青色の螺髪は珍しい。
観音菩薩の化身の中でも最も慈悲深いと言われている子安観音なだけに、その慈愛に満ちたお顔を早い時期に修復してさしあげたい。
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