今回は、前回ご紹介した釈迦如来に向かい右側。金色の獅子座上の蓮華座に座する仏様「文殊菩薩」のご紹介です。
「三人寄れば文殊の知恵」という諺が示すとおり、諸仏の智慧を象徴する菩薩様で、お釈迦様の入滅後に実在した人物ともいわれております。総高230cmある中央の釈迦如来像の脇侍ですのでこの像もなかなかの大きさです。身高は74cm総高190cmあります。
当院の文殊様は右手に持っているはずの宝剣が紛失しているようですが左手の経典は無事です。右手の形から、過去は宝剣を手にしていたであろうことは容易に想像がつきます。この他の文殊様の特徴に髻(たぶさ・・・髪を集めて束ねたところ)がありますが、宝冠があるため確認できません。
「西来院財産目録」によれば釈迦如来像と同じ時代のものらしいですが、釈迦如来像より剥離がすすんでおらず、若干新しくみえます。
当院の文殊様は少々難しい顔(ありがたい顔)をしておりますが、その下の金色の獅子は愛くるしい顔ですね。ですが獅子は百獣の王。文殊座下の獅子は文殊様の智慧の隆盛を表すそうです。やはりありがたいです。
ちなみに文殊様の持物、経典は智慧の象徴で宝剣はその智慧が研ぎ澄まされた様子を表しています。
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